極上御曹司はウブな彼女を独占愛で堕としたい

ピピピピ…チチチチ…
長閑な庭に小鳥たちのさえずりが聞こえる。
私は広い庭を掃除していた。
立派な日本家屋のお屋敷に越してきてから２か月が過ぎた。
季節は本格的な夏に入り高い位置の太陽が容赦なく私を照りつける。
こんなに暑いのに私の手足はやっぱり冷たくて、紀子さんに「冷え性なのね、女の子は体を冷やしてはいけないのよ」と色々冷え性に良い食事や漢方薬を勧めてくれた。
優しい紀子さんに武雄さんも旦那さまも私に良くしてくれる。おかげで私は穏やかに毎日を過ごしている。
風雅さんはよく私をデートに誘ってくれるけど私は気が乗らずに断り続けていた。最近は夜遅く帰ることがありいつもお酒を飲んでるようで二十歳になったからといって飲みすぎなのではと心配になる。
流星さんは…
実家に顔を出すことはなく、私たちが出て行ってからレジデンスには戻っているようで、新山さんがよく訪れていると旦那さまから聞いた。このまま順調にいけば結婚も秒読みだと嬉しそうに言っている旦那様を私は見ていることが出来なかった。
一方和泉さんからは最近の流星さんは仕事に打ち込みすぎなのか疲れが見えると心配していた。私も心配だけど、私が何を言っても何をしても流星さんには迷惑だろう。
流星さんを想うと今でも胸がつぶれそうになるほど切なくなる。