あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「着いたぞ」
先輩が連れてきてくれたのは海辺の手作りジェラートのお店だった。
「朝、通った時にうまそうって思ってたんだ。」
そう言って先に車を降りて助手席の扉を開けてくれた。
「大丈夫か？」
すぐに立ち上がろうとする私の腕を支えようとしてくれる。
「大丈夫です。ありがとうございます。」
「頭ぶつけんなよ。これ以上脳細胞死んだら・・・やばいだろ。」
いつもの毒舌も今の私が遠慮しすぎないようにわざと言ってくれていると知っている。
「大丈夫です。若いんで。」
先輩に私も負けじと答える。
「はいはい」
そんなやり取りをしながらも先輩が私の足元を気遣ってくれていることも知っている。

「はいどうぞ。」
「ありがとうございます。」
まだ足元のおぼつかない私を先に景色のいいベンチに座らせて、先輩は決めたアイスを買ってきてくれた。私は先輩にアイスコーヒーを買っておいた。
「これ、どうぞ。」
と私たちはアイスと飲み物を交換した。