あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
入社したてのころのことを思い出していると、「じゃあな」と先輩が振り返った。

そうだった。
今日は先輩は営業Ⅱ課のフロアじゃなく研究チームのフロアに出勤するんだったと私は実感する。
「行ってらっしゃい」
「おう。あんま無茶すんなよ」
「はい」
私は先輩に微笑みかけると先輩はきりっとした仕事の顔になり研究チームのフロアへ向かって歩いて行った。


その後ろ姿を見送っているとなぜかこのまま離れてしまうのではないかという不安に襲われた。

自分に言い聞かせる。ただ、部署が変わっただけで私たちは別れるわけじゃない。同じ建物の中にいるんだし。大丈夫。

私は大きく深呼吸をしてから営業Ⅱ課のフロアへ行った。
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