あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
一日でかなり片付けが進んだ。

「須藤」
「はい」
石崎課長に呼びだれて私は課長の近くへ向かった。
「さすがだな」
「はい?」
「お前の総合評価。桐谷が出したやつは最高評価だったぞ。」
「そうなんですか?」
「あぁ。ま、評価に関わる内容を計画的に桐谷が須藤にやらせていたのも大きく響いたけどな。営業先の社員からの受けもお前はよかった。」
石崎課長は話しながら私にコーヒーを渡してくれた。
「ありがとうございます。」
「桐谷は多分、もう営業には戻れないな」
「そうなんですか?」
「あぁ。今回研究チームが総力を挙げて廃棄になった薬品をもう一度生成する。それに、貴重な成分が多いからな。その調達もあるし。かなり危機的な状況なんだ。我々営業だって製品があってこそだろ。」
「・・・そうですね」
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