あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「やっと通常営業のところが増えて来たわね。」
「はい」
さすがに大みそかには社食は営業していなくて私たちは会社から一番近いカフェに来ていた。
近所の飲食店はほとんどの店舗が年末年始にかけて営業を再開している。
「ここのオムライスがおいしいのよ。好き?」
「はい。大好物です。」
私たちは先輩のおすすめのオムライスのランチを頼んだ。
「で、桐谷さんとは今は全然話してないの?」
さすがに嘘をつくことに心が痛みながらも、まだ先輩とのことは誰にも打ち明けていないだけに、私は嘘をついた。
「はい。」
「そう。寂しいでしょ?」
「はい。」
そこは正直に答える。
「もう、研究チームから戻らないって噂だものね。」
「はい。」
「こうなるとやる気も起きないわよねー。化粧も適当になっちゃった。」
先輩はそう言って自分の肌に触れた。
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