あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「その指輪。かわいいわね」
「・・・ありがとうございます。」
私は今日も先輩からクリスマスプレゼントでもらった指輪を右手の薬指にはめている。
仕事中も目に入るこの指輪に今はかなり支えられている。
「彼氏から?」
「・・・はい」
ここも嘘はつかなかった。
「なんだ。あなた全然ライバルじゃなかったのね。」
そう言って先輩はコーヒーを一口飲んだ。
「ごめんね。」
「?」
「前に桐谷さんとあなたが営業のペアになった時。あなたのこと知りもしないで牽制して。」
「いいえ。気持ちはわかりますから」
「え?」
「私、桐谷さんとは高校の先輩後輩だったんです。」
「そうなの?」
先輩がとても正直に話をしてくれて私は素直にうれしかった。
「こんなに完璧な人がこの世に存在するんだって、高校生の時は思ってました。」
「本当に完璧よね」
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