あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
何とか新年を迎える瞬間は先輩の部屋で一緒に迎えることができた私たち。先輩が用意してくれていた年越しそばを二人で食べた。

「疲れたな」
そう言って言葉数少ない私を気遣って先輩はすぐに眠れるように支度してくれた。

いつものように先輩はベッドで私の方を見て私の体を自分の方へ抱き寄せてくれた。

「今年もよろしくな。」
「よろしくお願いします。」
「これからもよろしくな」
「よろしくお願いします。」
私は少し先輩から体を離して先輩の顔を見た。
「私、頑張ります」
「ん?」
「私、頑張ります」
宣言した私の頬を先輩が自分の両手で挟んだ。
「頑張りすぎは禁物だって言っただろ。十分知佳は頑張ってるよ。十分すぎるくらいだ。」
先輩の言葉に私は首を横に振る。
「ダメです。」

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