あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「準備してきます。」
私は先輩と一緒にいた時を思い出しながら仕事をした。
データをプリントアウトしてその日に届ける商品を準備するのがいつも私の役目だった。
「8時50分出発な」
「はい」
今では懐かしいそのやり取り。先輩も味わっているように感じた。

私は薬品庫のフロアに向かい、自分のIDを使って扉を開ける。

今ではどの棚に探している製品があるかある程度把握している。時々まだ間違えたり、探せずバーコードを読み取ってヒントを使うときもあるけど。先輩のスパルタのおかげで自然と身についた。

準備を済ませて営業フロアへ戻ると先輩が腕時計を指さす。
「8時40分。合格。」
私が笑顔を向けると
「ほら、行くぞ。」と先輩は私の上着とカバンを私の方へ渡した。

先輩の後ろをついて、ボードへ向かう。
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