あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「そろそろお弁当、食べるか」
「うん」
私たちは水族館の中にある屋内の昼食スペースに移動して席をとった。

「気合い入ってんな。」
そう言って先輩はお弁当箱の蓋を開けた瞬間嬉しそうな表情になる。
「俺の好物ばっかりじゃん。」
「頑張ったでしょ?」
「あぁ。ありがとう。さっそくいただきます。」
「どうぞ」
先輩は手をあわせてから大きな口で次々にお弁当の中身を口に運んでいった。

よかった。どのおかずもそれなりにちゃんとできている。
今日に限って失敗しなくてよかったと私は一通りおかずをつまんでほっと胸をなでおろした。
「唐揚げがうますぎる」
「そう?よかった」
「本当に俺の好み。」
先輩はそう言ってまたひとつ唐揚げを口に運んでいった。
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