あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「!?」
「ごめん。我慢できなかった。」
そう言って笑う先輩。
私が焦ってあたりを見渡しても、幸い、みんな目の前の巨大水槽に注目していて誰も、見ていなかった。
「そんなキャラでした?」
動揺したまま敬語で私が話すと先輩はもう一度私にキスをした。
「敬語」
「・・・やられた」
悔しがる私を見て先輩が再び笑った。

指と指を絡めて手をつなぎながら私は何度も願う。
このまま時が止まればいいのに・・・と。



私たちはゆっくりとじっくりと水族館を楽しんだ。ずっと手をつなぎ、何度も誰にも見つからないようにキスをしながら館内を回っていると気づけばあたりが暗くなっていた。
それでも名残惜しくて帰るという言葉をいいたくなかった私。先輩も同じ気持ちでいてくれているのか、私の気持ちを察してか帰るという言葉を出さずにいてくれた。
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