あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

ノートには先輩が本を読んで勉強になったことや、ネットからの情報を検索したものも書かれている。人とのコミュニケーションの取りかたから一般常識、薬品に関する新しい研究論文など、奇想天外な内容だ。

でも私が新人として配属されることが決まってからのノートには新人教育に関してやチームマネジメント、後輩指導方法などの文献からのメモが一気に増えていた。

それだけ先輩が私を考えてくれていたのだと今になって知った。ぶっきらぼうで冷たいくらいの印象だったのに、陰でいろいろとしらべたり、どうしたら私が育っていけるかを考えてくれていたのだと知ると心が温まった。

その中に赤のアンダーラインが引いてある言葉があった。

”言葉を並べるだけじゃなく実際にやってみて結果を見せる”

ちゃんと書かれていることを実践してくれた先輩の姿を思い出した。

『4月30日。須藤、頑張ってる。俺のほうが緊張して初日からかなり冷たい態度になってしまった。警報ブザー事件で泣かせてしまったのは本当に悪いことした。伝えなくちゃいけないこと、須藤がパンクしないように絞っていたら大切なこと抜けた。失敗。なのにちゃんとついてきてくれる。須藤を選んでよかった。須藤が来てくれて俺も変われそうな気がする。』