あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
『久しぶりの風邪。寝ぼけて須藤に電話したらしい、俺。相当重症。おかゆ、うまかった。考えてみれば具合の悪い時、誰かにおかゆを作ってもらうなんて初めてだ。あーあったけーなー。須藤、風邪うつってないといいけど。』

『新規獲得の練習として選んだ高瀬。手ごたえのいい印象だったし、初めての交渉相手としては成功経験で終われそうな気がして適切と思ってた。でも須藤に悪いことをした。心配。高瀬の交渉には俺が入るようにして、あいつと接触しないようにしたい。それでも、ちゃんと守らないと嫌な予感がする。真っ青になってた須藤。いやな思いでを思い出させて本当に悪かった。須藤にもいろんな経験がある。なんでか気になるんだなー。俺。つらい経験もしてるのに、無理して笑って。放っておけない。』

『俺のばか。守り切れなかった。悔しい。傷つけたくない。けがさせた。自分の気持ちを実感。見えるところにいてくれないと、俺が不安だ。気持ちがぶわーっとあふれて言ってしまった。しかもキスしてしまった。急展開。須藤の気持ちは?ちゃんとここにあるか?俺だけが突っ走ってないか?』

『須藤に今まで誰にも話せなかった俺のことを話す。自分のマイナスな部分を話すのは苦手だ。でも、須藤には話したかった。聞いてほしかった。反応が怖かったけど、ちゃんと”俺”を知ってほしかった。いつもまっすぐちゃんとぶつかってくれる須藤には。須藤からのまっすぐな返事。うれしかった。今まで生きてきた中で一番うれしい言葉をまさか須藤からもらうとは予想してなかった。あいつ、ちっさいのに、存在がでかすぎる。』
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