あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
『おれの誕生日。知佳を母と父に会わせる。正直緊張した。両親の話は俺自身をありのままに知佳に伝えるってことだ。どんな反応か心配だった。でもやっぱり知佳だ。俺以上に俺を理解してくれている。生まれてきたことに感謝してますだって。そんなこと言われたことなかった。でも、知佳に言われた瞬間、あー俺そうやって俺の存在を誰かに認めてほしかったんだって気づいた。歓迎会の時だってそうだ。俺を普通の人間だとか言ってた知佳。外見じゃなく、こいつは俺の中身を見てくれてるってあの時から俺はどこかで気が付いていたんだ。知佳に会えてよかった。』

『石崎課長から研究チームへの移動の話が来た。ここで俺自身を試したい。もしもこれでだめだったら俺はずっと営業で頑張りたい。研究チームか営業か、悩んできて結局決断できなかった。だからこそ、全力でぶつかって、だめならあきらめるって決めたんだ。』

『知佳不足。あーまとまらない。終わんねー。』

『知佳不足で思わずメール。すぐに来てくれた。でも、知佳の様子がおかしい。泣くし。俺が研究チームに行くことで営業ペアを解消することになることが不安らしい。素直な気持ちを教えてくれてうれしかった。でもやっぱり口にしなくてもいろいろため込んでいたんだとわかった。俺だってそばでこれからも支えたい。でもその距離はまだわからない。同じ課で支えるのか。研究チームに移動になって、一緒に生活することで支えるのか。知佳、もう少し待っていてほしいんだ。この結果が出たら、知佳にもちゃんと伝えるから。知佳に会えて自分でも驚くほどペースアップ。吹っ切れた。』
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