あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
緑先輩は何かと私を気にかけてくれて、よく二人でランチにも行く仲だ。先輩の結婚式にも呼んでもらった。優しそうな年上の旦那さんと一緒の時の先輩は、ありのままの自分を出しているようで
かなり言いたいことを言っているらしい。そんな先輩ごと包みこむ旦那さんとの関係は見ていてうらやましいほどだった。

「須藤先輩」
田辺に呼ばれて私は自分の机に戻った。私の机の場所は前に桐谷先輩が使っていた場所。
私が座っていた場所に後輩の田辺が座っている。
「どうしたの?」
「リスト忘れて行っちゃって。これからもう一度薬品庫に行くので時間遅れます。」
後輩の言葉に時計を見るとすでに8時50分。
「約束の時間間に合わないから」
と私は自分のパソコンから必要な商品のリストをすぐにプリントアウトするとすぐに薬品庫に向かった。フロアを出るときに、自分の名札を『外』にかえる。

私の後ろを田辺は小走りで着いてきた。
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