あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「須藤さんてすごい記憶力ですよね」
「?」
「取引先の人の情報、なんで余計なことまで記憶できるんですか?」
田口の言葉に私は思わず笑ってしまった。
「余計なこと・・・か」
「なんですか?」
「うんん。なんでもない。後輩!」
私はそう言って田口の肩を思い切りたたいた。
「これは愛のムチだから」
「先輩、俺のこと好きなんですか?」
「まさか。私、ずっと好きな人いるから。」
「え?マジっすか?」
運転する田口から私は外の景色に視線を移した。



先輩と再会した季節の春がまたやってきた。
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