あなたの隣～憧れ先輩と営業外回りペアになりました～

「桐谷といえば、あいつ帰ってきてるらしいな」
「そうですか」
明らかに私の心が動揺する。
「研究チームのレベルアップのために派遣されてきたらしいぞ。日中、石崎部長には挨拶に来たらしいけど、俺も外回りで会えてないんだ。」
「そうですか」
「まっそのうち会えるだろ。」
「はい」
そう言って課長は私の机から離れた。

先輩と別れてから私は定時で帰るルールを守っている。

今日も定時で私は仕事をしまい自分のボードの札を『退』にして家路についた。

ふと会社から出て自分の手帳を出す。そこには先輩の名前の札が今でも挟まれている。

辺に期待をしたらいけない。でも・・・先輩の言葉を思い出して私はそわそする気持ちを隠しながら歩き出した。