あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
「ただいま。知佳。」
「・・・」
おかえりがもう言えなくて私は何度も頷く。

「知佳」
「・・・」
ずっと求めていた先輩の声で、私の名前が何度も呼ばれる。
それだけで心にじんわりとあたたかいものが広がっていく。

「知佳」
「・・・」
「愛してる」
「・・・私も・・・愛・・・してる」
涙で詰まりながらそう返事をすると先輩は変わらない笑顔で私を見た。


そして甘く長いキスをする。
二人、これが現実なのだと確かめるように口づけた。
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