あなたの隣~憧れ先輩と営業外回りペアになりました~
先輩は日本の研究チームの技術向上のために派遣されて来た。でも、数日後に社内で発表される特別人事異動枠で、本社研究チームの室長としてニューヨークの研究所から移動になることを教えてくれた。

5年で研究チームの室長になることは異例のことで、それだけ先輩がこの5年間努力してきたことを物語っていた。

「知佳」
先輩の腕枕でベッドに横になっていた私。
先輩に呼ばれて体をすこしはなして先輩の方を見た。
「?」
「結婚しよう。絶対に幸せにする。その自信がある。全力で守る。支える。一緒にいよう。」
「・・・はい。」
私がそう返事をすると先輩は私の右手の薬指に指輪をはめた。

よく覚えているデザインの指輪は、5年前に先輩に返した指輪だった。
「サイズ、変わってなくてよかった」
そう言って笑う先輩。
「ひどい・・・」
と言いながら私も笑ってしまう。
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