【女の事件】黒煙のレクイエム

第21話

８月27日のことであった。

アタシが思っていた通りにごんぞうの家では深刻な家庭問題が発生していたので、いつ空中分解が起きてもおかしくない状況におちいっていた。

しゅうさくのお嫁さんは、赤ちゃんを出産を前に体を大切にしなければならない時期に来ていると言うのに、市役所に母子手帳の申請に行っていない上に、６ヶ月検診の案内が来ていても無関心になっていた。

聞いた話によると、しゅうさくのお嫁さんは出産に向けて食事など注意をしなければならない時期に来ていると言うのに、ラーメン屋さんや焼肉屋さんやファストフード店などに行って刺激物がたくさん入っている料理や塩分濃度がめちゃめちゃ高い料理などを注文をして、食べるようになっていた。

出産に控えているので体を大切にしてほしいと願っているごんぞうの母に対して、しゅうさくのお嫁さんは『アタシ、赤ちゃんを生みたくない…』と言うダセイ的な気持ちになっていた。

この日の午後２時過ぎのことであった。

しゅうさくのお嫁さんは、コンビニの大きめの袋をテーブルの上に置いた後にキッチンの流しに行って、ケトルに水をいれてお湯をたいていた。

しゅうさくのお嫁さんは、お湯がたけた、大きめの(１・５～２倍の容量の)カップメンにお湯を注いでいた。

カップメン３～４個にお湯を注いだ後、出来上がるのを待っている間に激辛のスナック菓子を食べようとしているしゅうさくのお嫁さんを見たごんぞうの母親は『あんた一体何をしているのよ!?』と怒鳴った後にスナック菓子を食べる手を止めた。

「(しゅうさくのお嫁さん)さん!!赤ちゃんを出産する準備に入っている時に何をしているのよ!?やめなさい!!」
「うるさいわね!!放っといてよ!!食べさせてよ!!」
「いけません!!刺激物がたくさん入っているスナック菓子を食べてばかりいたら、赤ちゃんに大切な栄養が行き渡らなくなってしまうのよ!!」

ごんぞうの母親は、スナック菓子をごみ袋に入れて捨てようとしていたので、しゅうさくのお嫁さんは思い切り怒った。

「義母さま!!アタシが食べるお菓子を何で捨てるのよ!?」
「アタシはね!!あなたに元気な赤ちゃんを産んでほしいから止めているのよ!!」
「アタシはね!!赤ちゃんを生むのをやめることにしたわよ!!」
「何を言うてはるのよ!!元気な赤ちゃんを産んでほしいから止めているのよ!!刺激物ばかりを食べていたら赤ちゃんはどうなると思っているのよ!?」
「ワーッ!!」

しゅうさくのお嫁さんは、ワーッと叫んだあと、ごんぞうの母親を思い切り突き飛ばした。

しゅうさくのお嫁さんに突き飛ばされたごんぞうの母親は、どうして突き飛ばされなければならないのか分からないと言うて泣いていた。

「(しゅうさくのお嫁さん)さん…どーして…どーしてアタシを突き飛ばしたのよ…アタシは…あなたを止めただけなのに…」
「アタシの胎内の赤ちゃんは…しゅうさくの子供じゃないのよ…ホームレスの男のグループに…シツヨウにレイプされ…ボロボロに傷ついてしまう…ま…で…犯されたのよ…アタシをシツヨウにレイプしたホームレスの男の子供…産めないの…産めないの!!」

しゅうさくのお嫁さんは、恐ろしい声をあげて泣き出した後、出来上がったカップメンをずるずると音を立てて食べていた。

ごんぞうの母親は、泣くより他はなかった。