こっちじゃよくあることです。
久々に駅ビルの中に出店しているファストファッションのお店を覗いたり、デパコス売り場でBAさんにタッチアップしてもらったり女子としては非常に充実した時間を過ごせた。
そして一度家に帰り、買った荷物を置いておこうと実家に戻った。
私は両親に勇樹の病状は伝えている。友達として力になりたい。と言うと両親は何も言わなかった。
もう彼女でもない…ましてや友達のカテゴリーにいるのか微妙な私が中途半端に体の不自由になった勇樹と関わろうとしている。
心の中では反対なんだよね、魔質がそんな感じですよ。
色々買い揃えた戦利品達を自室に置いた後、軽く卵かけごはんを食べているとスマホが震えた。
『話、終わった。』
簡潔過ぎて分からん内容の無いよう?な勇樹からのメッセージだ。
茶碗を洗って片付けてから、転移魔法で移動した。一応病院の近くの雑木林の中に転移した。本来は物が乱雑にある場所(例えば物置の室内)とかは転移の座標が指定しづらい。
実際は開けた原っぱなどが障害物がないので一番転移しやすいのだ。しかし私は奇才の魔術師なので、全く持って問題ないけれどね。雑木林を掻き分けて病院の入口へと移動する。
そしてプラ~ッと病院の表玄関から中へ入って行くと…げげっ!チンチクリンこと浮気女(マホチャン)が前から歩いて来た!
マホチャンは私に気が付くと、何故だか苦々しい顔をして近づいて来た。
「お見舞い?」
「はぁまあ…。」
マホチャンの魔力は暗く落ち込んでいる。あ…もしかして勇樹に話を聞かされた?
マホチャンは昨日会った時のような勢いはまるでなかった。指で外来フロアの横のソファを指差した。
「ちょっと話、いい?」
私は頷いた。