あのときの月たち
まだ恋なんてよくわかっていなかった。
でも、ヤスミチに近づきたかったし
その気持ちは誰よりも強いって思ってた。
そんなとき、グループ学習で
彼と同じグループで話し合いをすることになった。
話し合いなんてつまらなくて、
先生が遠くに行くとみんなは
おのおの好きなことを喋り始めた。
ちょうど、簡単な占いみたいなのが
流行っていた頃だった。
誰かが、
血液型なに~?とか
誕生日いつ~?って聞き始めた。
わたしが、自分の誕生日を言うと、
「えっ!!!!」とヤスミチは大きな声を出して
激しく動揺した。
周りの男子が、
「なんなんだよ~!!おまえ誕生日いつだよ!!」
としつこく聞いても、
結局その日、彼は自分の誕生日を明かさなかった。