ripe不機嫌な俺様彼氏のご寵愛
「依織、そんな食べると
デブるぞ!」

俺は依織から許して貰ったと思っ
ていた、しかし依織の受けた
ショックの大きさは俺が考えていた事よりもっと大きかった。

「いーの‼滅多に来れないんだもん食い溜め食い溜め!」

「心配するな!
俺が連れてくるよ。

何回でも連れてくる!
今度は回らない寿司屋に
予約しとくよ。」


「・・それは・・・いい‼」

「エッ‼」


「・・・私・・・甘えない!
奏月には甘えない!
弱く( ᵒ̴̶̷̥́ ^ ᵒ̴̶̷̣̥̀ )グスッなる・・・から
それが分かったの‼
奏月には、甘えない!」

依織はイクラに食いつきながら
モゴモゴと泣いた😭
なんで涙が出るんだろう。

悲しい訳じゃない
辛い訳じゃない。

暖かい涙を感じながら奏月を
前にして泣いてしまった。


奏月は子供のような依織に
会長の頼みとは言え
他の女と一日デートしたのは
本当だ‼ 一日一緒にいて

癒されたのも本当だし彼女を可愛いとも思った。

あれは、浮気なのか?
電話先で依織が泣かなかったら

2人で飲みに行って、彼女を
ホテル迄送り届けたあとは・・・
ありえないとは、いえるのか?

彼女に軽い好意をいだいていた
依織が目を覚まさせたんだ。


一事的な事だが裏切りは裏切り‼

泣かせているのは自分だと強く
後悔していた。

イクラを注文しながら
依織の前に並べる

「ゴメン・・・な‼
いっぱい食べろ!今度
いつたべれるか・・・分かんないん だろう?」

依織はグスッ グスッと言いながらも
ウンウンと頷いた。
食い意地は健在だった。


副社長と部長はそれぞれの車で
帰って行った。

俺たちはタクシーに乗り込み
それぞれの住処に帰った。
今はそれがいい、壊れそうな
依織の心を刺激しないように。

俺たちは
少し距離を、置く事にした
それは別れに向けてでは無く
また、前の2人に戻る為の期間を
設けたんだ。

それからまた日常が始まる。

8月も終盤、前依織と約束した
秋の連休を前に2人の距離は・・・

近づかない‼
依織からの遅れた誕生日プレゼントを貰う事無く時間は流れた。

依織の指に指輪があるのを遠くから確かめホッとする。
いつまでこんな関係が続くのかと
内心穏やかではない!



「山岡、会長が来てるわよ。
山岡に話があるらしいから
応接室迄いらっしゃい。」



朝出勤するなり大仏部長から
呼ばれた。
部長は肩をポンポンと叩くと

「雀ちゃんとは上手く付き合って
いるの?」

そう聞いてきた。

俺は苦笑いを浮かべ
「はぁ・・・」と答えた。

部長もそれっきり何も言わなかった。

秘書室を出て応接室に向かう。

そこには白髪の七三、メガネを
かけて背が高くスーツ姿の
紳士がいた。

「会長、おはようございます。」

「お、おおお山岡おはよう
朝早くからすまないな。」

温厚な会長は、にこやかに笑う

「失礼します。珈琲を
お持ちしました。」

部長が紙カップに入った珈琲を
テーブルの上に置いた。


会長は又にこやかに笑い
ソファに腰掛け、


「山岡もどうだ、」


と、スタ〇のカプチーノを薦め
てくる。最近会長はこれにハマっているらしい。

「君たちもどうぞ。」


会長は秘書課みんなに珈琲を薦め
た。一礼して奏月だけ残し
部屋を出て行った。


「この間はすまなかったね
君にも、 用事があったそうで孫に叱られたよ。ハハハハハ」
フーフー、ズーッ
「美味い‼君もどうぞ‼」



「い、頂きます。」

会長は俺をじー( ⚭-⚭)っと見て

「山岡は女はいるのか?」

「ゲホッゴホッゲホッゴホッ
しっれいゲホッゴホッしました。」

「ふう〜ん、いるのか?」
会長は深く座りため息をはいた。

「居るといえばいます。
しかし
付き合っているようで
付き合って居ないような・・・
まぁ、片想いとでもいいます
かね。」


「そうか‼ (⚭⚭)ジー
じっはな‼ この間の彼女、
茅乃(かやの)な‼
君が気に入ってて、慶一道より
(けいいちどう)
君が、 好みらしくてな!
又会いたいと言い出して
どうだろう、付き合ってはみな
いか? 」

「私が・・・ですか?」

「ああ、宮慶財閥は知っておるか?
ワシの友人でな、人柄は
保証する。
友人も良い奴で、茅乃も気立てが
いい娘だぞ。


一人娘で後は宮慶の跡取りに
なるが養子はやむを得ない。」


「いえ・・・私には荷が重く
・・・」

「まあまあ付き合って見なさい。
いい子なんだから、ワシが
保証するからな‼ な‼」


じー( ⚭-⚭) な‼ な‼
会長は目をそらさずじーっと

“つきあえ“と訴えてきた。
個々でハッキリ答える事無く
あからさまに、曖昧に答えた。

「ハァでは、友人としてなら・・・」

「そうか、そうか、ヨシヨシ!
あちらさんにはそう伝えよう。」

「はぁ、」

俺はこの時会長の薦めに乗った訳
じゃ無く、ズバリ断りにくかった
会長の顔もあるし、友達なら
大丈夫だろうと軽い気持ちだった。



「チエッ、山岡出世街道まっしぐら
じゃん。」

「いいなぁ、宮慶財閥の跡取り
カー羨ましーってか山岡と
仲良くしとこう。」

噂はどこからか漏れてアッという
間に会社全体に広がった。
勿論背鰭尾鰭を付けて。




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