ripe不機嫌な俺様彼氏のご寵愛
依織への出張土産が、渡せないまま箱いっぱいになった。
依織は可愛いキーホルダー
が好きなんだ。
今度こそ渡して仲直り、今度こそ
今度こそと思いつつ
もう何ヶ月すぎたかなぁ
ため息をつきつつ考える

依織には、何人か交際を求めて来たがみんな断られたと聞いて
奏月はホッとする。

もうすぐ4月俺の24の誕生日が来る。そうだ依織の誕生日はいつだろう。
そう言えば依織の事何にも知らな依織は未だ俺の事好きなんだろうか?


そんな事を考えながらエレベーターを待つ。



「あっ‼ 山岡さん?」

「えっ‼誰?」

「総務課の山田真奈です。」

「え、総務課?」

「はい。あ‼ こっちこっち👋」
山田真奈が手を上げて叫ぶと二人の女子がかけてきた。

俺が振り向くと1人女の子の足がパタリと止まる。


依織は、俺を見るなりぎこち無くなり、山田真奈はぺちゃくちゃと話かけて来た。

「山岡さん、私達と夜ご飯
行きませんか?」

俯きよそ見する依織は奏月を避けているようにも見えた。



「え、 いいけ・・・ど。」
俺は兎に角依織と接点が欲しくて
了承した。

真奈は積極的に可愛さ全開
で迫りまくる。
迫って来るオンナって苦手
しかもめんどい

「じゃっ山岡さん7時会社の玄関で待ってますから。」

「ああ・・・後でね。」

3人でエレベーターを見送り
ドアが閉まって奏月が、上昇した
のを確認すると真奈は目を釣り上げて

「ちょっと、あんた達ついてくる
気は無いよね‼」

(ⓞДⓞ)エッ!?Σ(ㅇㅁㅇ;;)エッ…
「でも3人でって・・・」
同僚の結衣ちゃんが先輩の真奈さんに呟くと 腕を組ツーンとした顔を見せ
て・・・


「私が狙ってたの知ってるよね。
チャンスなのよ‼
それに山岡さんに私似合ってない?
ぜーったい私が合うんだって
あんた達まだ若いんだし
悪く思わないでね。」

「え、でも、」
結衣ちゃんは依織をチラッと見た。


「何よ‼先輩の言う事が聞けないの!」

山田真奈はそう言うと颯爽と
キッと凄みを見せルンルン
しながら歩いて行った。

結衣ちゃんは長いストレートの髪を、ピンクブラウンに染めていて
キチンとした性格で同じ歳なのに
大人系‼ そんな結衣ちゃんが

「何よ!先輩なくせに
よこれんぼかよ。」

依織は、不思議そうに聞いた
「もしかして結衣ちゃんも山岡さんが
好きなの?」


「いや、そんな事ないけど・・・
ムカついただけなんだけど。」



「どうする?依織?
あんた、山岡さんが好きなん
でしょ、いいの?それに
山岡さんもあんたをじーっと見てたし・・・」

「え‼」

「分かるよ〜見てたら。
ワタシ勘がいいの!!なんか2人、わけありそうだもん。

ついて行こ!あの様子じゃ
今日決めるつもりじゃない‼
危ないよ山岡さん。
山田真奈は、凄いテクらしいよ。
自分で言ってんだけどビデオ
とか見て、色々テクあげた
らしいよ。」


「え⊙⊙、テク?イヤ、でも・・・。」

「取られちゃうよ、いいの‼」

「え‼よく・・・ないか・・・も」

結衣ちゃんはニンマリ
笑うと
「良くないよねー
引いちゃダメ
取り敢えず7時に玄関ね‼」
そう言って歩きだした。


そう、あの時・・・
7時って奏月が言った
はずなのに、7時には奏月の
姿は無かった、勿論山田真奈も
見当たらない、なんで?
キョロキョロしながら奏月と真奈の姿を探す。

「どしたの?」

課長が2人を見つけ歩み寄って来た。

「いえ、依織とたまには飲みに
行こうかと話してたんですよ
山岡さんと山田先輩と待ち合わせな・・んですけど
2人ともいなくて。」

「そうか、金曜日だしな‼
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙
そう言えば山田くんは6時に約束があるってバタバタと帰って
ったな〜
俺はカミさんと
宅飲みだよ。ハッハッハ」

《《6時‼》》
結衣と依織は顔を見合わせ

《《やられた〜‼》》

結衣はガクッと項垂れた。

「う﹏‼くっそぉ〜あの女狐め〜」

依織はフフフと笑い真奈先輩らしいと思った。
あんなに奏月を求めてるのなら
それはそれでいいのかも知れない
奏月が選ぶなら仕方が無い諦めるワケじゃ無いけど決めるのは
奏月‼️

あんなに愛されてる奏月は幸せ
なのかもしれないなぁ。

依織はいつの間にか奏月の幸せを
願うのも良いかなと考え方を変え
ていた。



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