Ⓒランページ




「逢魔が時、キミは何をしてるんだ?」


男の問いにキミは答える。


「音に合わせて身体で表現してる。あなたは?」


「俺は足蹴にしてる」


「カッコイイ!」とキミはまるで台本通りのようなことを言って、それを続けた。


「きっと困らないんだろうね」


「いや、困るさ」と男がこれまた台本通りのようなことを言って、謙遜する。


「でなきゃこんなところにいない」とここまで言って、男は慌てて付け加える。


「もちろん、キミはきっとそうじゃない、ただの暇つぶしなんだろうけど」


「ううん、そんなことないよ」とキミは否定する。


「私もあなたと同じ。だからここにいる」



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