Ⓒランページ
「ねえ、どうせなら呪文を決めてもいい?」
「いいわね。どんな呪文にするの?」
キミは「うーん」と考え、それからある小説を思い出した。
「小説にある魔法を使おうと思うんだけど、どうかな?」
今度は黒猫が「うーん」と考え、それから頭を振った。
「ダメよ。それはダメ」
「どうして?」
「著作権ってものがあるの」
「著作権?」
「コピーライトっていうのよ」
「コピーライト?」
「見たことない? アルファベットのCを丸で囲んだマーク」
「ああ、あれ。うん、見たことある」
「だからダメなの」
「どうして? だってここは夢の世界でしょ?」
「そうね。確かにここは夢の世界。でもだからこそダメなのよ。夢には夢でそれぞれコピーライト、©︎があるの。夢は他の誰にも侵されることがないようにってね。だから、アニメとか小説とか絵画や音楽、そういったものはたとえ夢の中でも使うことは許されないのよ。そういう決まりなの」
「それを犯すとどうなるの?」