Ⓒランページ
僕は寝ているキミの首元に手をかけた。キミが苦しそうにもがく。指に力を入れる。キミの顔が歪む。
「許せない、許せない、許せない、許せない……」
しかし、はっと我に返って、手を緩めた。キミは少しもがいて、寝返りを打った。
「バカか、僕は! もう殺すだけじゃダメだ。別の手を考えるんだ。彼女が『彼』と幸せになれないように。何か……」
僕は必死になって考えた。力を使いすぎて頭がクラクラした。それでも必死に考えた。全神経を頭に集中させた。カーテンから陽が差してきた。いつの間にか夜が明けていた。それでも構わず考えた。考えに考えた。
そして、閃いた。
「アリスが手に入らなかったものを、あえてこの子に……」