Ⓒランページ
13、それとはまた別の何かとてつもない大きなもの。
キミの寝起きはあまり良くなかったね。
僕はキミの隣で少し眠って、それから起きてトイレを済ませ、歯を磨き、それからはちみつ紅茶を入れて、それを飲みながらネットサーフィンをして。
それから受信契約の訪問があって、「うちにはテレビがないんです」という常套句とも取れる本当のことを言って、それでもやはり納得してくれなかった訪問員の人に、玄関先からでも見えるように室内を見せ、帰ってもらったのだけど、そんなことがあってもキミは一向に起きる気配どころか、寝息も立てず、まるで死んでいるんじゃないかと心配するほどだった。
その間にアラームは三度鳴ったけど、キミは起きず、四度目が鳴ったところで僕はキミの肩を優しく揺すった。
「ほら、起きて。遅刻するよ」
しかしキミは、「うーん」と言って、僕の手を払い除けた。それでも僕はめげずにキミの肩を揺すった。キミはやっとのことで目を覚まし、それから千鳥足でトイレに行った。
「おはようございますぅ……」
「おはよう。よく眠れたみたいだね」
「昨日、私何時に寝ました? というか寝た時の記憶があんまりなくて……」
「よっぽど疲れてたんだね。ベッドに横になってすぐ寝ちゃったよ」
本当は僕が寝かせたんだけど、そのことはもちろん、言わなかった。キミはやはり納得できないようで、しかし現在の時刻を見て、「やば!」と今度こそ覚醒したようで、急いで着替えを始めた。