Ⓒランページ




ロイヤルミルクティーが来て、一口飲むと、男が「ホテルはどこにあるの?」と聞いた。


キミは何と言おうか少し迷って、「江戸川区の方かな」と言った。


「遠くない?」


「うん。ちょっと遠かったかな」


「ビジネスホテル?」


「うん。ビジネスだよ」


「だったら尚更、この辺りでとればよかったのに」


それもそうだと思ったキミは、次の瞬間、とんでもないことを思いついた。


と思っているだろうけど、これも僕が誘導したこと。僕にはわかっていたというか、そうするつもりでいた。だから帰る時に連絡するとキミが言った時、僕は全く信用していなかった。キミは今夜この家には戻ってこないんだよ。と思わず言いたくなったほどだ。



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