Ⓒランページ
14、それこそ人間味があって面白い。
キミがあの男に会いにいくことは、当初の僕は望んでいなかった。
にもかかわらず、一夜明けて、僕はキミをあの男の元へ送り出した。しかもわざわざ起こしてやって。
これにはもちろん、アリスは怒った。
「ちょっと、ケン! いるんでしょ? ケン!」
「僕の中にいるのはキミの方だよ」
「そんなことはどうでもいい。あなた、あの女に復讐してくれるんじゃなかったの?」
「もちろんそのつもりだよ」
「つもり?」
「語弊があるね。必ずしてやるさ」
「ならどうしてあの男にあの子を会わせたのよ! まさか、昨日のバグ。あれもあなたが仕組んだことなの?」
「それは違う。本当に想定外だったんだよ」
「ならどうして会わせるようなことを……」
僕はリビングチェアに腰掛けた。