Ⓒランページ
キミは黒猫におんぶされて一軒の歯医者に入った。
受付には眼鏡をかけたイノシシがいた。
「おや、患者かい?」
「そうなの。ちょっとした知り合いでね。カブトムシは空いてる?」
「あいにくクワガタしか空いていない」
「なんとかならないの?」
「待てるかい?」と言ってイノシシはキミのおなかを触った。
「緊急性はないようだ」
キミは腹痛のせいで気が遠くなりそうになった。
「クワガタでもいい」
わけもわからずキミがそう言うと、黒猫とイノシシは顔を見合わせた。イノシシがキミに聞く。
「本当に、クワガタでいいんだね?」
「うん。いい。もう我慢できないの」
「そうかい。それじゃ黒猫。89番の診察室にその子を運んでおくれ」