Ⓒランページ
学校が終わって、書店に入る。
キミは迷わず文庫コーナーに向かい、お目当ての本を探す。
芥川賞を獲った小説で、最近文庫化されたもの。しかし、いつ見ても書店にはなく、そろそろネットで買おうかどうか迷っている。
今日ももちろんお目当ての本はなく、テキトーに手に取った海外小説をそのままレジに持っていく。カバーは付けなくていいと言う。スマホで支払いを済ませる。店を出る。バスに乗る。バスで買ったばかりの文庫本を開く。
内容は、タイトルの通り、初恋をした相手との回想の物語。本は薄かったけど、海外小説は基本改行が少なく、1ページあたりの文字数が多い。読み応えがあるなあとキミは思った。
降りる駅が近づいて、キミは本を閉じようとしおりを探した。しかし、しおりは挟まっておらず、仕方なくスピン(紐しおり)を挟んだ。ブックカバーはいらないとはいったけど、しおりは付けてほしかった。
バスを降りる。朝通った川沿いを歩く。アスファルトのピンク色した水玉模様は少なくなっていた。