Ⓒランページ




クローゼットを閉じると、誰か男の人が隣に座ってきた。


アバターはありきたりというか、プリセットのようなもので、おそらくこのアプリを始めたばかりだろう。


「こんにちわ」


話しかけてきた。キミは一瞬迷って、「こんにちは」と返した。「こんにちは」を「こんにちわ」と表記する人がキミが嫌いだ。


「何歳?」


「17歳です」


「今年?w」


「今年、18歳になります」


「そうなんだw」


しばしの沈黙。


「どこ住み?w」


「福岡です」


「遠いねw 俺、東京w」


「そうですね。遠いです」



< 26 / 143 >

この作品をシェア

pagetop