Ⓒランページ




キミは迷わず、


「いいよ。どこに行けばいい?」と返信。すぐさま既読が付いて「俺かキミの部屋がいい。二人っきりになりたいんだ」と言った。


「まあそっちの方が落ち着くもんね(笑)」


と送っておいていかにも冷静ですよといった感じを装うキミではあったが、心臓までは誤魔化せなかった。二人っきりで? そんなことをあの男から言われると、どうしても期待してしまう。でも、期待ってなんだ? 例えば、本当に例えばだけど、彼から告白されて、それを受け入れて、その後私たちは一体どうなっていくのだろう。そこには本当に愛があって、約束された幸せがあるのだろうか?


「ないな」とキミは呟いた。現実と一緒にしちゃいけない。だからこそ幻想世界は楽しいんだ。



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