Ⓒランページ
僕は最寄り駅の階段の壁にもたれてキミを待った。
キミの顔はキミの目で見た鏡を通して見ていたから知っていたけど、写メも交換してないのに知っているのはおかしいと思い、知らないフリをして、キミから駅に着いたとLINEをもらったところで電話をかけた。
「どこにいる?」
「今エベレーター? 降りてます」
「エベレーターじゃなくてエレベーターだよ。それに、多分キミが降りてるの、それ、エスカレーター」
「じゃあ、それです」
「降りて、左曲がったところにある壁にもたれてるから」
「左? あっ!」
こうして僕たちは出会った。キミが僕を見た第一印象はこうだった。
「思ったよりも幼くないですね」