Ⓒランページ




キミはやっと納得してくれて、本棚の横に座った。僕が「ベッドかそこにある椅子に座ってもいいよ」と言うと、キミは「あ、はい。ありがとうございます」と答えたけど、どちらにも座ろうとはせず、本棚に並んだ本を眺めていた。


「綺麗に並んでますね」


「まあね。背表紙のところは綺麗じゃないけど」


「でもそれって読んでるからですよね。ほら、よくいるじゃないですか。本読んでますよアピールをしながら、まるで買ったばかりみたいに綺麗な本しか並んでない本棚って」


「見栄なんだろうね。それかモテるためのスペックか。いずれにせよ、僕には関係ないし、どうでもいい」


「ケンさんって怒ったりイライラすることってないんですか?」


「そりゃあるよ」と苦笑いで答えてやる。


「例えば自分が犯した罪を認めず、なかったことにしてのうのうと生きてる人間なんかを見ると、虫唾が走るよ」


「それは誰だってそうですよ!」と言ってキミは笑った。虫唾が走った。



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