隠された日記
数ヶ月後、康則は社長になり、最も

大きい椅子についた。

社長の仕事は近くで見てきてだいたい知っ

ていたので、要領や処理にはあまり困らな

かった。

当時は、とりあえず外部とでは「慎重に」

取引や契約を決め、オフィス内では今まで

通り指導や残業を細かくした。

増えた給料も真面目に家に入れた。

ある時、社員達は月の初めに出る先月の売

り上げに関するグラフを見ていた。

すると、

「社員、清水社長!ご覧下さい、これ、、」

駆け込んで来た社員の指指す方を見た。

「これは、、!」

折れ線グラフで表される、当社の月別売り

上げでは、康則が社長になる前から、先月

の月末まで、上がりの傾斜が明らかに大き

くなっていた。

棒グラフで表される、会社ごとの今月の売

り上げでは、1位のフィロソフィアムに差

をつけてだが8社中2位だった。

自分が所属してから、めったに見ない好調

ぶり。我が社では考えられない程だった。

「これは、、何と。」

康則は目を見開いた。

「新社長のおかげですよ!」

「こんなの見た事がない。真面目に社長の

言う事を聞いてきた甲斐があった。」

「新社長万才!」

オフィス内が拍手に包まれる。

仕事であんな団結力を感じた事はなかっ

た。
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