隠された日記
「これを見てみな。」

男の手には、今日の朝刊。人差し指が指す方向に

は、、

「あ、、」

[誘拐から14年、、遺族の思い]

内容は読まずとも、分かった。自然に、目から涙

が流れてくる。

「愚かな連中め、、どうだ?今の気持ちは。」

「男」は、ハハハと笑いだした。目からは、どん

どん涙が流れて、いつの間にかしゃくりあげてい

た。

(ひどすぎるわ、、情けのかけらもない)

目の前の男と、記事に乗っている少女の写真を、

申し訳なく涙目で見つめる事しか出来ない自分

に、腹が立って、より一層涙が出た。
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