隠された日記
(友達できるかなぁ。こんな田舎だったら、街頭が

あまり無いし、下校中怖いだろうなぁ。私、いつ

かまた都会に戻れるかなぁ。)

そんな事を考えているうちに、車は、急な山道に

入っていた。幅は狭く、地面もごつごつしてい

る。そして、左に回ったかと思うと、

「はい、ここで車を止めまーす」

「え、ここから少し登らないといけないの?」

「そうだよ。運動、運動。」

和樹のこの口癖を、ゆゆは何度も耳にした。運動

神経が悪いゆゆは、日々こう言われてしまう。

「ゆゆ、これ、持って行くのよ。」

助手席から、敏江が大きなカバンと袋をゆゆに渡

す。それから、車から降りて木々の間の道を通っ

ていく。ただ1つ良いのは、都会より涼しい事だ

った。そして、奇妙な感覚が沸き起こってきたの

だ。
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