隠された日記
そのニュースを見ていると、心臓が早鐘を打っ

て、じっとしていられない気持ちがみるみる膨ら

んだ。

たちまち、心の中で炎が燃え上がった。まさか、

まさかこんな事だったなんて。

「恐ろしいねぇ、14年も未解決の誘拐事件なん

て。」

「ねぇ、お父さん、落ち着いて聞いて、、」

「ん?どうしたの?」

「あのね、どのくらいの期間か、どれくらい前か

らか分からないけど、被害者の大塚紗矢さんはこ

の家に連れて来られてたの!」

「な、一体どうして、、」

「本当だよ。それに、被害者は紗矢さんだけじゃ

ないみたい。紗矢さんよりちょっぴり年の離れ

た美樹子さんって言う人もだよ!」

「ゆゆ、どういう事だ?」

「2人とも、どうしたの?朝から騒がしくしない

で。」

お母さんが、自分の部屋から起きてきたみたいだ

った。

「あ、お母さん、ちょうど良かった。2人とも聞

いて!」

ゆゆは、あの日記に書かれてあった事を、読んだ

範囲で全て話した。そして、今朝見た夢の事も。
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