隠された日記
「ねぇ、ここ、本当に来るの初めて?小さい頃に

来たとか、無い?」

「えっ?無いはずだけどねぇ。」

「でもお父さん、夢で見たのか、なんか、この景

色が、ずっと頭の片隅にあったような気がす

る。」

(気のせいだ、きっと。田舎の風景なんて似たり寄

ったりじゃない) 

ゆゆは自分に言い聞かせた。

「着いたよ。」和樹の声が聞こえた。

「わぁ。」

コンクリートなのか木造なのかよく分からない

が、ほとんどは木だった。

田舎の一軒家だけあって、広さはそれなりにあっ

た。2階があり、屋根が綺麗な三角になっている。
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