隠された日記
ーープルルルルルル
「はい、私、被害者の山野美樹子で
す、、」
小さいが、はっきりとした声が聞こえてき
た。
「やった、繋がった!」
「本当か?!」
さっきまで何故か繋がらなかった電話が初
めて繋がり、周りはざわついた。
「やはり、、大塚紗矢ではない被害者もい
たのか、、美樹子さんだね、今、家の周り
はパトカーとSWAT(特殊部隊)が包囲してい
る。かなり危険な状態だ。君を安全に保護
するため、容疑者の欲求を聞きたい。」
「はい、少し待ってください。」
電話の向こう側で、小さい彼女と誘拐犯の
会話が聞こえてきた。
「あなたの欲求は何ですか、って言ってる
わ。」
「それは、、ただ、殺されたくない、、だ
からこのまま出て行きたくもない、、」
「ねえ、本当はどうなの?」
美樹子が諭すような口調で言う。
「本当は、、もう、、終わりにしたい
よ、、でも、降参して出てきたら奴らは絶
対に撃つんだ。」