隠された日記
「一体、、どうすれば良いんだ、今

更、、」

男がそわそわしている。

「きっと、今までの事を全て話して、降参

すれば、、何とかなるわ、きっと。」

ふとテレビをまた見ると、見た事の無い女

の子がいきなり飛び出て来て、騒ぎになっ

ていた。その子の目が、ぴったし自分を見

ているようにも見える。

(私も、あんな風に自分が今どこにいるの

か、伝えないといけない人が欲しかったな

あ、、)

と何故か寂しくなった。

そういえば、前にもこんな場面を見たっ

け。

その頃のお姉ちゃんは、今のあの子と同じ

ような年格好だったような、、、、

お姉ちゃんも、家族に電話したい、と、何

回かあらゆる説得の仕方で、タイミングで

この男に訴えていた。

最後に話した時だって、私に「また会え

るよ、きっと。私の方から会いに行く。そ

の時は、ちゃんと私だって気付いてね。」

と、、

(え、まさか、、)

ある疑念が頭を過る。そんな訳ないと思っ

たが、もし違っても、お姉ちゃんを最初見

た時の感情が、なぜかこの子を見ていても

芽生える。どこか深い由縁がある気がし

た、、

「すみません、後もう1つお願いです。」

「何だい?」

「今、テレビの前に出て来た女の子も、こ

こに連れて来てもらえませんか?」

「おお、どうして?」

「そう、神様の声を聞いた気がする

んです。連れて来てくれないにしても、私

達が出て来るまでは帰さないでいてくれま

すか?」

少し間があった。自分がかなり奇妙な事を

言っているのは自分でも分かった。が、、

「分かった、君を信じる。僕達はすぐに中

へ向かうよ。」
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