私の推しはぬこ課長~恋は育成ゲームのようにうまくいきません!~
***
(愛衣さんが俺の家に来たことも奇跡なのに、シャワーを使うとか、信じられない展開になったんだが、夢じゃないよな?)
バスタオルとフェイスタオル、そして汗ばんだであろう愛衣さんの衣類を洗濯しようと思ったので、その間に着てもらうTシャツを胸に抱えながら、寝室にて固まっていた。
「お風呂上がりの愛衣さん。しっとり濡れた髪、俺のTシャツを着て頬を染めながら恥ずかしそうにしているだけで、あってはならない事態が起こったりしたら……」
期待で股間が膨らみそうになるが、気合いを入れて寝室の扉を開ける。
(これ以上、余計なことを考えてはいけない。だって今は、はじめて愛衣さんを自宅に招いている状況だ。せっかく付き合うことができたのに、嫌われることをして恋人解消されたら、きっとその場でショック死してしまうかもしれない)
「愛衣さんお待たせしました。これバスタオルです。それと着ている服を洗濯しちゃいますので、乾くまでこのTシャツを着てください」
自分なりに平静を装いながら話しかけて、リビングで立って待っていた愛衣さんに押しつけるように、持っていた物を渡した。
「洗濯なんてとんでもない! 大丈夫です」
「汗ジミができる前に洗っちゃいましょう。乾燥機にかけても大丈夫ですよね?」
断れない理由を口にしたら、愛衣さんは仕方なさそうに首を縦に振る。
「俺はリビングにいますので、どうぞさっぱりしてきてください」
「…………」
「安心してください。絶対に覗いたりしませんから!」
「充明くんはそういうことをしないの、わかってます。真面目でしっかりしているし」
(真面目でしっかりしてるという性格を押し出されたせいで、このあと非常事態にならない可能性が――。って違うちがう、変なこと考えちゃ駄目だ)
「俺ってば、愛衣さんにすごく信頼されているみたいで、とても嬉しいですぅ」
褒めてくれたことが嬉しくて、自分なりに喜びをアピールしたのに、愛衣さんは俯いてなにも言わずに、浴室にそそくさと消えてしまった。
しばしの間のあと、シャワーを浴びる音が耳に聞こえてしまい、頭の中で繰り広げられる妄想が、おもしろいくらいに勝手に進んでしまう。それは口では言えない、卑猥なものばかりで――。
「ダメだダメだ! こんなこと考えちゃいけない。だって愛衣さんは俺を絶大に信頼しているからこそ、ここでシャワーを浴びてるんだぞ!」
なぁんて言いながらも、ちゃっかり寝室に移動して、手持ち無沙汰を解消するようにシーツ交換してしまう始末。
(ここで愛衣さんが俺のTシャツを着たまま横たわったりしたら、信頼を崩すなにかをしてしまうかもしれない)
「今現在、愛衣さんが全裸でっ、シャワーを浴びてるんだよな。覗いたら見ることができ……俺は彼女の上司! それやったらもう犯罪者!」
その後もいろんな妄想で心を散々弄ばれ、寝室の床でのたうち回ってしまったことは、愛衣さんにナイショである。
(愛衣さんが俺の家に来たことも奇跡なのに、シャワーを使うとか、信じられない展開になったんだが、夢じゃないよな?)
バスタオルとフェイスタオル、そして汗ばんだであろう愛衣さんの衣類を洗濯しようと思ったので、その間に着てもらうTシャツを胸に抱えながら、寝室にて固まっていた。
「お風呂上がりの愛衣さん。しっとり濡れた髪、俺のTシャツを着て頬を染めながら恥ずかしそうにしているだけで、あってはならない事態が起こったりしたら……」
期待で股間が膨らみそうになるが、気合いを入れて寝室の扉を開ける。
(これ以上、余計なことを考えてはいけない。だって今は、はじめて愛衣さんを自宅に招いている状況だ。せっかく付き合うことができたのに、嫌われることをして恋人解消されたら、きっとその場でショック死してしまうかもしれない)
「愛衣さんお待たせしました。これバスタオルです。それと着ている服を洗濯しちゃいますので、乾くまでこのTシャツを着てください」
自分なりに平静を装いながら話しかけて、リビングで立って待っていた愛衣さんに押しつけるように、持っていた物を渡した。
「洗濯なんてとんでもない! 大丈夫です」
「汗ジミができる前に洗っちゃいましょう。乾燥機にかけても大丈夫ですよね?」
断れない理由を口にしたら、愛衣さんは仕方なさそうに首を縦に振る。
「俺はリビングにいますので、どうぞさっぱりしてきてください」
「…………」
「安心してください。絶対に覗いたりしませんから!」
「充明くんはそういうことをしないの、わかってます。真面目でしっかりしているし」
(真面目でしっかりしてるという性格を押し出されたせいで、このあと非常事態にならない可能性が――。って違うちがう、変なこと考えちゃ駄目だ)
「俺ってば、愛衣さんにすごく信頼されているみたいで、とても嬉しいですぅ」
褒めてくれたことが嬉しくて、自分なりに喜びをアピールしたのに、愛衣さんは俯いてなにも言わずに、浴室にそそくさと消えてしまった。
しばしの間のあと、シャワーを浴びる音が耳に聞こえてしまい、頭の中で繰り広げられる妄想が、おもしろいくらいに勝手に進んでしまう。それは口では言えない、卑猥なものばかりで――。
「ダメだダメだ! こんなこと考えちゃいけない。だって愛衣さんは俺を絶大に信頼しているからこそ、ここでシャワーを浴びてるんだぞ!」
なぁんて言いながらも、ちゃっかり寝室に移動して、手持ち無沙汰を解消するようにシーツ交換してしまう始末。
(ここで愛衣さんが俺のTシャツを着たまま横たわったりしたら、信頼を崩すなにかをしてしまうかもしれない)
「今現在、愛衣さんが全裸でっ、シャワーを浴びてるんだよな。覗いたら見ることができ……俺は彼女の上司! それやったらもう犯罪者!」
その後もいろんな妄想で心を散々弄ばれ、寝室の床でのたうち回ってしまったことは、愛衣さんにナイショである。