私の推しはぬこ課長~恋は育成ゲームのようにうまくいきません!~
(見える形で私を欲しがってる印を、わざとくっつけているのは、須藤課長の作戦だったりするのかな?)
「私が声だけ我慢してると思いますか?」
「物欲しそうな目で俺を見てる時点で、いろいろ我慢してるのがわかる」
緩く抱いていた須藤課長の両腕に、ぎゅっと力が込められた。しっかり抱きしめられているのにも関わらず、もっと求めてほしいという気持ちになってしまう。
「愛衣さんが一番我慢してるのはなに?」
「多分充明くんと、同じことだと思います」
「あえてそれを教えてくれないんだな。同じかどうか、確かめることができないじゃないか。愛衣さんの意地悪……」
文句に近いことを言われたので、仕方なく返事をしようとしたのに、開きかけた私の唇を背後から覆いかぶさって塞いだ須藤課長。触れるだけのキスをされると思っていたのも束の間、らしくないくらいに強引に舌を侵入させてから、求めるように私の舌に絡ませる。
「んぁっ……ンン」
鼻にかかる声が出た瞬間に、須藤課長の唇が強く押しつけられて、呼吸ごと奪うキスをする。
「愛衣さん、声を出さないって約束、守らなきゃ駄目だって」
「充明くんが感じるようなことをするせいですよ」
「俺のせいにするんだ?」
小さく笑った須藤課長は、私の額に自分のオデコをこつんとぶつけた。視界に入る唇の口角が嬉しそうに上がっているのを見ることができるだけで、同じように微笑んでしまう。
「私を感じさせる充明くんが悪いです」
「だったら俺に罰を与えて。愛衣さんが与えてくれる罰なら、どんなことでも受けてあげる」
「ええっ!? 充明くんに罰を与えるなんて、そんなの――」
「俺は悪い上司だから、恋人という立場を利用して、こんなことを進んでやってしまうかもしれない」
言いながら片手は私の胸を鷲掴みしつつ、空いた片手は制服のタイトスカートの裾を一気に捲りあげた。太ももが露になったのを目の当たりにしたため、慌てて須藤課長の体から離れる。
「あーあ。俺から離れると、防犯カメラに映っちゃうのに」
「充明くんが私に、卑猥なコトをしたせいじゃないですか。これ以上は駄目です!」
「わかった。それなら俺が罰を決めよう。仕事の問題が解決するまで、愛衣さんに一切触れない。オナニーもしない禁欲生活をする」
「へっ?」
胸を張って宣言された罰に、開いた口が塞がらない。禁欲生活って、いったい――。
「ただし問題が解決した暁には、愛衣さんを思いきり抱く。寝かさないつもりだから、覚悟しておくんだな!」
さきほどまでの甘い雰囲気はきれいさっぱりなくなり、そこにいるのはキレッキレの不器用な上司の姿だった。挑戦的なまなざしで見つめられるだけで、胸がきゅっと切ない感じで締めつけられてしまうのは、相当惚れ込んでしまったせいかもしれない。
私の返事を聞かずに、ミーティングルームを出て行く大きな背中を見送りながら、複雑な恋心を思い知ったのだった。
「私が声だけ我慢してると思いますか?」
「物欲しそうな目で俺を見てる時点で、いろいろ我慢してるのがわかる」
緩く抱いていた須藤課長の両腕に、ぎゅっと力が込められた。しっかり抱きしめられているのにも関わらず、もっと求めてほしいという気持ちになってしまう。
「愛衣さんが一番我慢してるのはなに?」
「多分充明くんと、同じことだと思います」
「あえてそれを教えてくれないんだな。同じかどうか、確かめることができないじゃないか。愛衣さんの意地悪……」
文句に近いことを言われたので、仕方なく返事をしようとしたのに、開きかけた私の唇を背後から覆いかぶさって塞いだ須藤課長。触れるだけのキスをされると思っていたのも束の間、らしくないくらいに強引に舌を侵入させてから、求めるように私の舌に絡ませる。
「んぁっ……ンン」
鼻にかかる声が出た瞬間に、須藤課長の唇が強く押しつけられて、呼吸ごと奪うキスをする。
「愛衣さん、声を出さないって約束、守らなきゃ駄目だって」
「充明くんが感じるようなことをするせいですよ」
「俺のせいにするんだ?」
小さく笑った須藤課長は、私の額に自分のオデコをこつんとぶつけた。視界に入る唇の口角が嬉しそうに上がっているのを見ることができるだけで、同じように微笑んでしまう。
「私を感じさせる充明くんが悪いです」
「だったら俺に罰を与えて。愛衣さんが与えてくれる罰なら、どんなことでも受けてあげる」
「ええっ!? 充明くんに罰を与えるなんて、そんなの――」
「俺は悪い上司だから、恋人という立場を利用して、こんなことを進んでやってしまうかもしれない」
言いながら片手は私の胸を鷲掴みしつつ、空いた片手は制服のタイトスカートの裾を一気に捲りあげた。太ももが露になったのを目の当たりにしたため、慌てて須藤課長の体から離れる。
「あーあ。俺から離れると、防犯カメラに映っちゃうのに」
「充明くんが私に、卑猥なコトをしたせいじゃないですか。これ以上は駄目です!」
「わかった。それなら俺が罰を決めよう。仕事の問題が解決するまで、愛衣さんに一切触れない。オナニーもしない禁欲生活をする」
「へっ?」
胸を張って宣言された罰に、開いた口が塞がらない。禁欲生活って、いったい――。
「ただし問題が解決した暁には、愛衣さんを思いきり抱く。寝かさないつもりだから、覚悟しておくんだな!」
さきほどまでの甘い雰囲気はきれいさっぱりなくなり、そこにいるのはキレッキレの不器用な上司の姿だった。挑戦的なまなざしで見つめられるだけで、胸がきゅっと切ない感じで締めつけられてしまうのは、相当惚れ込んでしまったせいかもしれない。
私の返事を聞かずに、ミーティングルームを出て行く大きな背中を見送りながら、複雑な恋心を思い知ったのだった。