先生と私の恋日記


 12月17日

 掃除の時間になり、私が廊下にモップがけをしていると、先生がやってきた。

 (先生の足モップにぶつかりそう。)

 先生は掃除中、モップを踏んづけてきたり、寒いのに窓を開けたりと、小さなちょっかいを出してくる。

 今日もモップを踏んづけるかと思いきや、今回はめずらしく避けた。

 (避けるとか、先生なんかあったのかな?)

 そう思ったのもつかの間。先生はわざと私の肩に軽くぶつかってきた。
 
 好きな子にどう接していいかわかんない小学生みたいで、可愛かった。事実、先生の恋愛偏差値はその辺にいる小学生と変わらないだろう。


 私は不覚にもドキドキしてしまい、どうしていいかわからなかったので、そのままスルーした。

 
 先生が担当の掃除場所の時は、私はすぐ教室を飛び出るけど、掃除の前が移動教室の時はいちいち教室に戻るのが面倒なので、授業道具を持ったまま掃除場所に行く。
 
 窓辺にファイルや教科書を立てかけておくと、たまに先生が勝手に見ていたりする。

 その日も先生は私の書いたプリント見ていた。

 「先生、字汚いので見ないでください。」

 「別に、字見てるわけじゃないから。てか、なんだよこれ。子どもに無理矢理食べさせるって。お前そんなんじゃ母親なれないぞ。」

 (一生懸命考えた結果なんだけど。)
 
 先生は私の家庭科のプリントを見て、すごく笑っていた。

 先生の笑顔が見れたので、私はいつも以上に笑顔になれた。

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