先生と私の恋日記
12月18日
この日は情報の授業を終え、掃除場所に真っ直ぐ向かった。
先生は今日もファイルを見ようとしていた。それは私の情報のファイルだったけど、名前を書いてなかったので、見ようにも勝手に見れなかったらしい。
私はそのファイルが自分のだと教えようか迷ったけど、あえて教えないでしばらく先生を眺めていた。
そうこうしているうちに、先生は中身から判断しようとしたのか、ファイルを持ち上げた。すると、中から教科書やら挟んでいないプリントやら全部廊下にぶちまけていた。
「これ誰の?」
「私のです。」
「なんだお前のかよ。プリントとか挟めよ〜。ファイルの意味ないだろ。」
しょうがないから、私はプリントとかを全部拾い上げた。
「情報の先生が穴開けてくれないから。」
「自分で開けりゃいいじゃん。」
「穴開けるのないです。」
私は嘘をついた。穴あけパンチなら教室にあるから開けようと思えばいつでも開けられる。なんでかわからないけど先生に嘘をつきたくなった。
「俺のとこくればあるよ。」
(先生ってば私に会いに来て欲しいのかな?)
なんてね。
私はそんな自意識過剰な気持ちをこらえ、
「職員室まで行くのめんどいです。」
そう言った。
本当は行きたかったけど。