先生と私の恋日記

 4月9日

 「昨日いなかった先生の紹介をします。」

 司会の先生の一言とともに、一人の先生が椅子から立ち上がる。

 私は高鳴る鼓動を抑え、じっとステージを歩く男性を見つめていた。

 その男性は探していたあの先生だった。

 私は単純なことのはずなのに"運命"を感じた。

 やっぱりすごくかっこよかったので、周りのみんなもそう思ってるのかと思うと不安で、何故かわからないけど、私の胸は誰にも取られたくないという気持ちでいっぱいだった。

 まだ一度も話したことのない人なのに…。

 

 そんな時、不安が一気に消えるくらいの衝撃が胸を走った。

 先生の左手の薬指なんか光ってる…。もしかして、指輪…?

 奥さんいるんだ…。そっか…、そりゃそうだよね。だってあんなにかっこいんだもん。



 なに期待してたんだろ…。


 入学早々、現実を突きつけられた気がした。

 
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