先生と私の恋日記
募る思い
2月14日
今日はバレンタインデーだった。
私はかなり前から何をあげようか友達に相談しながら考えていた。
(1000円超えたら、先生もお返しに気遣っちゃうよなぁ…。)
いろいろ考えた結果、市販のお菓子の詰め合わせと手作りのミサンガとお手紙を入れることにした。
お菓子は手作りするのに自信がなかったのもあるけど、多分先生は手作りとか嫌いだと思ったからだ。それに、2月最初の2週間はテスト期間で勉強しなきゃだったし。
先生は数学が得意なので教えてもらおうと思ったけど、先生と2人きりという状況に緊張して勉強なんかできないと思ったし、第一に頭悪いって思われたくないという理由で誘わなかった。
だから、自力でたくさん勉強した。中でも保健体育は特に…。
保健体育は最終日の今日。先生がテスト中に各教室の見回りに来た。
ドアが開くとともに私は顔をあげた。
先生だ…。
にやけそうになったので視線をテスト用紙に戻す。そこには私の好きな水色のウィンブレ着た先生が立っていた。
「テストで何か質問等ありますか?」
かっこよすぎて直視できなかった。それでも、もう1回先生の顔を見たいと思い、ちらりと先生の顔を覗く。
すると、先生とばっちり目が合ってしまった。恥ずかしくて私はすぐにそらした。先生、今日もかっこいい…。
今日は女バレの後、男バレの練習に参加した。
(合理的にチョコを渡せてラッキー。)
1人1個のボールを使ってスパイク練習をした。
その途中、私の使っていたボールをマネージャーが間違えて先生に渡してしまった。先生は私のボールを受け取った後、すぐに自分のボールも受け取って、こちらをニヤりと見て走って逃げた。
私はそれを追いかけると、先生はすぐにボールを返してくれた。口の端を少しあげながら…。私の好きな顔。
(カレカノみたいじゃん。)
この出来事には頭が追いつかなかった。神様がくれたバレンタインの奇跡かなぁ…。
練習後、私はバスで帰るのでストレッチを抜けて、先に帰る準備をした。
私が帰り支度を整え、更衣室を出ると男バレはネットの片付けをしていた。私は男バレにもチョコを持ってきていたので、同級生の1人に配っといてと言って渡した。
そして、先生の元に行って先生にも渡した。
「先生どうぞ。」
「手作り?」
「違いますよ。」
「良かった、手作りとか怖くて食べれない。」
「だと思いました。」
「わざわざ貰ってもいいの?」
「いいですよ。」
「ありがと。明日頑張って。」
明日は中学校の先生方による審判講習会があった。私たちはそのモデルチーム。
(明日頑張るしかない!)
私はバス停までの道のりをにやけながら歩いていた。