先生と私の恋日記

 6月17日

 「私、もうすぐ誕生日なんですよ。テスト初日とかぶってるけど。最悪ですよね〜。」

 掃除の時間、私は先生にそう言った。 

 ちなみに、私のクラスは3箇所の掃除場所が割り振られており、3つの班で2週間交代制になっている。その1箇所が、先生担当。


 私があぁ言ったのは、先生に誕生日を祝ってほしかったから。


 すると先生は、

 「どんまい。でも、俺も9月の終わりくらいだからいつも2学期のテストとかぶってたよ。」

 同じ月とか日じゃないのは悲しいけど、先生との共通点が見つけられた気がして嬉しかった。
 

 私はテスト勉強なんか手につかず、先生に祝われたらどうしようかばかり気にしていた。



 誕生日当日。先生が何も言ってくれなかったので、仕方なく

 「先生、今日私の誕生日ですよ。」

 自分から言った。

 「おめでと。」

 返事はすごく素っ気なくて、声もすごく小さかったけど、私は素直に嬉しかった。

 ただ、もう少し反応してくれよと心の中でつっこんでおいた。

 

 冷たい先生も好きだけど。

 もっと知りたいっていう興味をかき立てられるような感覚、本当ずるいよ…。気になって探っちゃうじゃん。


 

 
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