ホームズの子孫の役に立ちたい
「ただいま戻りました」

ドアを開けてリビングに入ると、ホームズさんとワトソン先生が椅子に座っていた。そして、椅子に高校生らしき女の子が座ってうつむいている。依頼人の人かな。

「和香、ちょうどいいところに!」

ワトソン先生が立ち上がり、ホームズさんも目を輝かせた。

「ハティーさん。もう一度あなたの話を聞かせてもらえませんか?女性が帰ってきたところですし……」

ホームズさんはそう依頼人の女の子に言い、私を椅子に座らせる。どうやら依頼人の話を聞いてほしいみたい。

「……はい、わかりました」

女の子は、ハティー・ドランと名乗った。イギリス西部にあるイザベラス学園に通っていると話した。私は驚く。

「イザベラス学園ってあのお嬢様学校の……?」

イザベラス学園は、世の中のお金持ちなら娘を通わせたいと思うほどの学校として有名だ。イギリスからだけでなく、海外からも多くの留学生が生徒としてやって来るらしい。

淑女としての教養が身につくけど、厳しい校則でも有名。全寮制で、淑女としてのレッスンはとてもハードで投げ出す人も少なくない。そして、学園内は身内以外の男性の立ち入りを禁止している。
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